債務者の財産や資産を処分し、清算してしまう手続きが自己破産です。

 
しかしながら、ただ借金の返済に苦しいだけ等の理由で、誰でも自己破産ができる訳ではありません。
 

自己破産の申し立てをするには、債務者のあなたが「支払い不能状態」であることが大条件となります。
 

申し立人のあなたが支払い不能状態(破産法126条1項)であることを裁判所が認定して、【破産宣告】がなされることで、その後の免責手続きとなるからです。

 
そのため、あなたの借金総額が50万円でも、100万円であっても、申し立て人のあなたが本当に支払い不能が揃うならば自己破産が認められます。

 
それでは、自己破産を申し立てる際の前提となる「支払い不能」の基準をわかりやすくご説明してまいりましょう。
 

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自己破産の申し立ては、「破産原因」が必要

 
どうしても支払いができないのであれば自己破産を選びます。

 
ただし、「破産しなくても借金整理ができるのか」このラインを考えることも大切なのです。
 

もしかしたら、今のあなたには任意整理や個人再生などを利用できる状況かもしれません。
 

まずは、あなたが本当に支払い不能かどうかを確認してみましょう!

 

破産原因とは=すでに支払い不能であること

 
破産原因とは、貸金業者からの借金を返済しているあなた個人の場合、すでに【支払い不能の状態】にあるという条件が必要です。
 

この支払不能とは、「債務者が弁済能力の欠乏のために即時に弁済すべき債務を一般的かつ継続的に弁済することができない客観的状態」とされています。

 
例えば結婚式などの急な出費によって、今月の借金の返済ができなくなったとしても、弁済能力の欠乏とは言えません。

 
また、たとえ債務者のあなたに財産がなくても、あなたの信用や労力等によってお金が調達できるのでしたら、これも弁済能力の欠乏とは言えません。
 

なお、ここで注意していただくことは、「債務者の信用でお金を調達」とは、貸金業者からの融資によるお金の調達という意味ではありません。

 

ショウブ(優しい心)ショウブ(優しい心)

「貸金業者から借金ができるから自分は信用がある」などと解釈しませんよ。特にヤミ金は、支払い困難なあなたをいつでも狙てますからね。本当に気を付けてくださいね。

借金の【支払い不能の基準】とは?

 
一般的な借金の支払い不能の基準というのは、返済のための資金の目安が【手取り収入から住居費を差し引いた金額の3分の1】とされています。

 
この金額から手続き費用を差し引いて、36倍(3年分)とし、差し引いた金額以内の借金総額であれば“支払い不能として自己破産による債務整理”が原則となります。

 
また、任意整理での減額された借金を3年(36カ月)で支払うことが困難な場合も、一般的な支払い不能の基準となります。

 
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借金の支払い不能かどうかの基準はケースバイケース

 
支払い不能かどうかの基準は、借金をしているあなたの財産や職業、給料、年齢、性別はもとより、信用や労力、技能等の稼働能力なども考慮して判断されることになります。

 
一般的な年収500万円程度の会社員の場合、借金総額(あなたの借金から貯金や不動産等の資産を引いた金額)が500万円を超えるようであれば、貸金業者等の借金返済は極めて困難であり、支払い不能の状態であるといえます。
 

また、別の例として、あなたには貸金業者からの借入が800万円あったとします。もちろん資産も財産もなく、毎月の収入の中から無理なく返済に充てることができるのが2万円のみとすると、既にあなたは支払い不能であり、破産状態であるといってもおかしくないのです。
 

返済に充てられる2万円では、引き直し計算で減額していただいても利息の支払いにさえ困難のほか、2割=160万円を5年間で返済をするような個人再生手続きであっても無謀な計画といえましょう。
 

そのような状態を「支払い不能」と呼ばれ、自己破産の選択となるのです。

 
つまり、借金の支払い不能かどうかは、借金している人の状況を総合的に判断したうえで、裁判所が判断することになりましょう。

 

借金総額が低額であるのに「支払い不能」とは?

 
借金総額が少ないからといっても、支払い不能が認定されないわけではありません。

 
基本的な生活費を差し引いて、月々の利息の支払いさえもできない状態であれば、紛れもなく支払い不能が認められることでしょう。
 

実際、借金の総額が200万円程度であっても、破産が認められる場合があります。

 
例えば、債務者のあなたが生活保護を受けていたり資力の低い場合では、借金の総額が200万円程度であっても破産宣告がなされます。
 

子供を抱えた主婦で長時間働くことができない場合や、病気で働くことができない状況では、借金の総額が150万円ほどでも返済は極めて困難といえましょう。

 
実際に、150万円や130万円で破産宣告がなされたケースもあるのです。
 

自己破産にするか、個人再生にするか、それとも任意整理にするか

 
自己破産にするか、またはその他の債務整理の方法をとるかは、 あなたの支払い能力を考え、減額された3年間の分割弁済が可能かどうかで判断されます。

 
引き直し計算をしても借金が多く、将来の収入で返済しようにも3年間の分割払いの返済が無理であれば自己破産を考えることになります。
 

ところで、なぜ支払い期間は「3年間」なのでしょうか。債務整理での返済をするあなたにとっては、精神的にも生活の変化においても3年が限界だからです。
 

この3年間は、もしかしたら病気や給料減、子供の進学やリストラ等、思いもよらない生活の変化があるかもしれません。

 
さらに、あまりにも長期間の返済計画では貸金業者が応じてくれません。このようなことから、債務整理での支払い期間は原則3年間(場合によっては最長5年間)とされているのです。
 

支払い不能が認めれれると破産宣告がなされる

 
裁判所は申立人のあなたの提出した書類を審査して、裁判官がとくに必要と判断された場合には、申立てから1~2か月後ほどであなたは裁判所に呼ばれて、裁判官との面接(破産者審尋)を受けます。
 

裁判官一人と個人面談をして質問を受け、あなたとの話しの内容から「破産原因がある」と判断された後、支払い不能の状況であれば「破産宣告」がなされます。

 
破産宣告とは、裁判所が破産申立人である「あなた」を「破産者である」との判断を示すことです。同時廃止の場合は破産宣告と同時廃止の決定がでます。

 
その際、「同時廃止」とするか、「破産管財」とするかも判断されます。

 
※なお、自己破産手続きを弁護士に依頼している場合は、(よほどの問題がない限り)この破産者審尋は受けません。

 

破産宣告の決定は官報に公告される

 
この破産宣告の決定は、官報に公告され、この公告後2週間経過すると確定されます。
 

「破産宣告」により、貸金業者などの債権者からの取り立てや催促は停止し、「今ある財産の限度で破産者の債務を清算する」といった破産手続きが開始となるのです。

 
財産がある場合には破産管財人が選任されて、債務者であるあなたの財産は破産管財人の手に委ねられ、処分・換金されて貸金業者に分配されることになります。

 

破産宣告がされない場合は【支払い不能の状況ではない】

 
一方、破産宣告がなされずに、破産申し立てが破棄される場合もあります。

 
この場合は、支払い不能の状態ではないと判断されたためですので、その場合は「任意整理」に方法などを検討することになります。

 
いずれも弁護士または司法書士とご相談なさって検討してみましょう。

 

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東京地方裁判所での即日面接制度とは?

 
東京地方裁判所では、“即日面接制度”を設けられております。

 
即日面接制度というのは、申立て当日に、裁判官が代理人である弁護士と面接して、その日に破産宣告がなされるものです。
 

即日面接制度によって、債務者のあなたに対する面接(破産者審尋)はなく、破産宣告までの期間が大幅に短縮されます。

 
なお、この制度が利用できるのは、弁護士があなたの代理人である場合に限られます。

 
こうして、破産者審尋の後、破産宣告をするかどうかの判断がなされます。

 

ツワブキ(困難に負けない)ツワブキ(困難に負けない)

支払い不能に陥ったときに一番困ることが、貸金業者からの取り立てかしらね。ときには、その取り立てが法律に違反している業者もありますので、そんな業者には毅然とした態度で臨むことが大切です。当サイトでは、取り立てに関する記事も多く掲載しておりますので、参考になさってくださいね。