再生計画案の決議が無事に済むと、次に、裁判所により再生計画の認可・不認可の決定がなされます。
 

これについては、まず、認可するかしないかに関して、個人再生委員の意見書が裁判所に提出され、裁判所はこの意見を参考にして、再生計画の認可・不認可の決定を下します。
 

この認可・不認可を決定する基準については、民事再生法に定められており、まずは【不認可事由】が定められていて、これらに該当しなければ認可されるというしくみになっています。
 

それでは、どのような場合に再生計画が不認可となるのでしょうか。
 

この章では、民事再生法を基としてわかりやすく解説いたします。
 

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小規模個人再生手続においては、不認可事由がない限り再生計画は裁判所により認可されることになります。

もっとも、同じ再建型の倒産手続である会社更生法の場合とは異なり、民事再生手続においては、自治的な再建が尊重されております。

したがって、再生債権者によって可決されなかった再生計画については、原則として認可され、不認可事由がある場合にのみ例外的に認可されないという構成がとられています。

それでは不認可事由を確認してみましょう。

 

再生計画の不認可とは?

 

小規模個人再生においては、認可がされない「不認可事由」は以下の場合とされています。
 

①民事再生法174条2項各号の事由があるとき

 

裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、再生計画不認可の決定を決定します。
 

なお、これら4つの各号は、通常の民事再生手続における場合と共通の不認可事由になります。
 

(一) 再生手続又は再生計画が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正することができないものであるとき。
 

ただし、再生手続が法律の規定に違反する場合において、当該違反の程度が軽微であるときは、この限りではない。

 

再生計画や再生手続に補正できないような法律の違反があるときは不認可となります。
 

再生手続の法律違反とは、再生手続の開始申立てから再生計画の認可決定までの間の諸々の過程において法の定めた規定に違反するような場合です。
 

つまりは、再生計画の内容として定める条項などについて、各種の定めがありますが、それらの定めに違反しているような場合をさします。
 

ただし、その違反の程度が軽微であるときには、その不備な部分を補正することができますので、認可をすることも可能となります。
 

(二) 再生計画が遂行される見込みがないとき。

 

「遂行される見込みのない」というのは、再生計画が計画通りに実行され、かつ、債務者を経済的に立ち直らせて、健全な財務状態におくことができないということです。
 

(三) 再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。

 

「再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。」とは、書面投票による決議が更生な方法で行われなかった場合です。
 

例えば、再生債務者らが再生債権者や別除権者などに対して詐欺や脅迫行為を行ったり、賄賂その他の特別の利益を与えたり、与える約束をするなどして書面決議を行わせて再生計画案が可決とみなされたような場合をさします。
 

(四) 再生計画の決議が再生債権者の一般の利益に反するとき。
 

 

「再生計画の決議が再生債権者の一般の利益に反するとき。」とは、再生計画の弁済の割合が債務者の財産状態から見て著しく少ないなど、再生計画よりもかえって破産手続による方法が債権者にとって有利な場合などをさします。
 

小規模個人再生に特有の不認可事由(231条2項1号~4号)のないこと

 

小規模個人再生手続に特有の不認可事由は、民事再生法231条2項1号から4号までに記載されています。
 

231条2項1号と2号は、小規模個人再生手続を利用することができる資格を、再生手続開始決定の後になって失ったり、あるいは欠けていることが判明した場合に、再生計画が不認可となることが定められています。
 

同3号においては、最低弁済額の要件が定められています。
 

同4号は、住宅資金貸付債権との関係で不認可事由が定められています。
 

それでは確認してまいりましょう!
 

(一) 再生債務者が将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがないとき。

 

「継続的または反復的な収入を得る見込みがないとき」とは、小規模個人再生では、個人である債務者が継続的または反復的な収入を得る見込みがあることが手続開始の要件であり、その見込のないことは不認可事由となります。
 

なお、小規模個人再生の主な利用対象は自営業者ですが、会社勤めのサラリーマンの方や公務員の利用も可能です。
 

(二) 無異議債権の額及び評価済債権の額の総額(住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額及び第84条第2項に掲げる請求権の額を除く。)が5000万円を超えているとき。

 

小規模個人再生では、無異議債権の額および評価済債権の総額(この金額を基準債権といいます)が5,000万円を超えるときは不認可事由となります。※ただし、担保が提供されている住宅ローン等は除きます。
 

つまり、再生債権の総額が5000万円以下(利息制限法で引き直した額)であることが、手続開始の必須要件となるのです。
 

ただし、住宅資金貸付債権の特別条項を定めない場合でも、住宅資金貸付債権はこの債務総額要件の計算上は除外されることに注意が必要です。
 

【別除権】とはどんな担保権?
 

再生手続において別除権として認められる担保権は、特別の先取特権(動産先取特権や不動産先取特権など。一般の先取特権は別除権ではない)・質権・抵当権及び商事留置権です。
 

他に、譲渡担保権・所有留保やリースなどの非典型担保権についても別除権として認められると考えられています。
 

(三) 無異議債権及び評価済債権(別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権及び第84条第2項に掲げる請求権を除く。以下「基準債権」という。)に対する再生計画に基づく弁済の総額(以下「計画弁済総額」という。)が基準債権の総額の5分の1又は100万円のいずれか多い額(基準債権の総額が100万円を下回っているときは基準債権の総額、基準債権の総額の5分の1が300万円を超えるときは300万円)を下回っているとき。

 

返済額については、最低弁済基準額(これ以上を返済しなければならない金額のことで、借金総額が基準となります。)がありますので、これをクリアする内容でないと、返済計画案は認可されません。
 

なお、債務者が申立て時に提出する債権者一覧表において、【住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある】旨を記載した場合には、再生計画に【住宅資金特別条項】がない場合、再生計画は認可されません。

 

(四) 再生債務者が債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨の記載をした場合において、再生計画に住宅資金特別条項の定めがないとき。

 

住宅資金特別条項を定める意思がある旨を、債権者一覧表に記載したのに、再生計画の中に住宅資金特別条項の定めがない場合、不認可事由となりますので注意が必要です。
 

このような場合、住宅ローン債権についての債権調査を改めて行う必要となり、再生計画の認可という小規模個人再生手続の最終段階に入った時点で債権調査手続をやり直すことになるのです。
 

そのため、裁判所や債権者に大変な労力や時間を費やしてしまいますので、このような場合には再生計画を不認可とすることになったのです。

 
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