【質問】サラ金への返済が滞っており、業者に言われるままに公正証書を作成しました。その中には、「本契約を履行しない場合、直ちに強制執行を受けても異議のないことを認諾する」との執行認諾文書も入っております。借金の返済ができない私が悪いのは重々承知ですが、生活費用が全て含まれる給料口座が差し押さええになるなんて考えられません。この差押えにはどのように対処するべでしょうか。

【A】大変お辛い日々ですね。お給料が差し押さえられては、ご家族の生活も健康も大きく支障がきたします。

まずは、このようなお辛い状況を、あなたお一人では決して悩まずに、専門とされている弁護士へ、どうかご相談なさってください。(給料の差押えを中止できる場合がありますからね。)

なお、公正証書に基づく強制執行に対しては、請求異議の訴え(民事執行法35条)という方法で不服の申立てができます。

また、強制執行を停止させるためには、別に【強制執行停止決定の申立て】をすることになります。

このような裁判所への手続き等を個人で行うことは、大変に難しく、精神的にも苦痛が伴いますので、先ほども申し上げましたが、どうか早めに弁護士へご相談なさってくださいね。

強制執行は本当にお辛いことです。しかし、「弁護士に相談してよかった!」と言える日が必ず訪れます。どうか弁護士の無料相談を受けてみてくださいね。▼全国対応の借金問題に専門特化した、法律事務所をご紹介しております。

債権者は公正証書で差押えができる

公正証書による強制執行とは、公証人が法律に基づいて作成した契約書を債務名義(執行力が法律上あると認められた公の文書)として、直ちに強制執行とするものです。

公正証書のうち、以下の場合には「執行証書」として効力を持ちます。

①金銭の一定額の支払い
(又は、その他の代替物や有価証券の一定の数量の給付)を目的とする請求についての公正証書であること。

②強制執行認諾文言があること

公正役場において、執行文付与の要件を満たしているとの判断があれば、公正証書の末尾に、「債権者甲は、債務者乙に対し、この公正証書によって強制執行することができる。」との文言を付記して債権者へ交付します。

質問者のあなたの場合、上記のように公正証書が適正に作成されていることから、債権者は公正証書に基づいて強制執行が可能になるのです。

なお、公正証書は、裁判をしないで強制執行ができることから、消費者金融や信販会社にとっては、最も多く利用されている手続きとなります。

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債権者としては「給料の差押えが最も確実に債権回収」が可能

公正証書には、裁判所の判決と同等の効力があり、直ちに強制執行を行うことができ、債務者の不動産や家財道具・給料などの債権を差し押さえることができます。

ところで、強制執行は債務者の財産のみを差し押さえの対象とされますが、債務者に不動産や動産で換金できるようなめぼしい財産がない場合に、一番手っ取り早く確実に差押えができるのが給料です。

また、債権者にとっては、借金やローンの返済に滞る債務者に対抗する場合に、強い法的手段を利用しての「給料の差し押さえ」が何よりも早く確実な回収になるのです。

債権者→債務者→第三債務者の関係は?

それでは、債権者と債務者そして債務者の会社である第三債務者の関係を確認してみましょう。

不動産などに対する強制執行は、債権者の不動産を管轄する地方裁判所によって配当がなされますが、給料の差押えでは、債務者の勤務先(第三債務者)に債権者が取り立てることができます。

今回、債務者が借金の支払いが滞るようになったことが原因で、給料の差押えをしたのが消費者金融や信販会社などの債権者です。

債務者は、債権者からお金を借りましたので、債権者から見るとその通りの「債務者」です。

会社の立場はどのようになるの?

債務者である社員は、会社で働いたことで給料をいただく立場なので、法的に言うならば【社員は会社に給料債権を所有している】ことになります。

他方、会社の立場からすると、【会社は社員に給料を支払う債務を負っている】ことになります。

裁判所から会社に届く「債権差押命令書」には何が書かれている?

上記【>債権者→債務者→第三債務者の関係】を前提に、会社へ送付される債権差押命令書には下記のようなことが書かれております。

・債権者からの申立てにより、債務者が勤務する会社(第三債務者)に対して債権(給料)を差し押さえたので、債務者は会社(第三債務者)に対して債権(給料)を取り立ててはならない。

・また会社(第三債務者)も債務者に対して、給料(債務)を支払ってはならない。

このため、裁判所から債権差押命令書が届きましたら、会社としては法的対応に則って、差押えの対象となった給料の全額の支払いが不可能となります。

もしも債務者に給料を支払ってしまうならば、会社は債権者にそのことでの対抗ができませんので、結局は債権者にも支払うことになり、結果として2重に支払いをすることになってしまうのです。

また、債務者が会社を退職しな限り、給料は毎月継続的に支払いがあります。

そのため、1回目の差押え手続きの効果は、【請求債権と満つるまで】以後の給料差し押さえが続くことになるのです。

ショウブ(優しい心)ショウブ(優しい心)

お給料が差押えになったことで、会社を解雇されることはありません。ただ、立場上、大変お辛い日々のことでしょう。あなた一人でこの問題を抱えていては、事態の解決は困難でありましょう。弁護士等の専門家の力をいただいて、どうか乗り越えてくださいね。会社への信頼はもちろんのこと、生活がかかっているのですから!

ご家族と生活を守るため給料差押えの変更及び取消しを!

これまでお伝えしましたように、債権者にとっては確実な債権回収となりますが、債務者としては、銀行口座にある預金や給料を差し押さえられては、たまったものではありません。

そこから生活に必要なお金を引き出すことができなくなることは、生きていくのに致命的であり大問題です。

本人だけならまだしも、給料の差押えは子供や親をはじめ、大切なご家族が生命の危機に晒されていることとなるのです。

ご病気や介護の必要なご家族がいる場合ではなおさらのことでしょう。

そんなご家族の命と生活を守るために、できる限りの方法で給料の差押えを阻止していくことが重要となりましょう。

給料の一定の範囲で差押え禁止となる部分とは?

強制執行をするといっても、給料を全額持っていかれては生活ができません。

そのため、債務者の最低限度の生活費が捻出できるように、給料の差押えが一定の範囲で禁止されています。(民事執行法及び政令で規定)

給料の場合では、支払われる給料(基本給や諸手当、通勤手当を除く)から所得税・住民税・社会保険料を控除した残額の、原則4分の1までが差押えの対象となります。(月額で44万円を超える場合には、33万円を除いた金額)

よって、残りの4分の3については差押えることができません。

※債務者が既に退職している場合等は、差押えはありません。また、養育費については、給料に対して差押えできる範囲が2分の1まで拡大されます。)

差押え範囲の縮小または取り消しの申立てが可能

たとえ4分の3が手元に残るといっても、最も低所得者の場合では、その生活が脅かされることになり、債務者の生活状況によっては、その範囲が縮小される恐れも当然考えられます。

つまり、本来、生活がきわめて困窮しており、給料の差押えによって、憲法で保障されている最低限の生活さえ危ぶまれる状況の場合、差押え範囲の縮小または取り消しの申立てが可能なのです。

実際に、このような手続きを利用されて、差押えられた給料の4分の1を、16分の1に変更していただいたり、給料の差押え自体を取り消していただくケースもあります。

1日も早くに弁護士等の専門家へ相談を

どうか、1日も早くに弁護士等の専門家へご相談なさってくださいね。

弁護士や司法書士に依頼することで、まずは給料の差押えを中止できます。

そして、借金の返済に困窮するあなたに最適な債務整理を提案します。

債務整理をなさることで、あなたもご家族も笑顔を取り戻せることでしょう。

あなたが、借金と無縁な生活を切り開いていけるものと信じます。

多額な借金でお困りな方は、イストワール法律事務所へまずは無料相談をなさってくださいね。相談してよかった!と必ず実感できることでしょう。