【質問】
 

私は長年勤めていた会社を定年退職して、只今、年金生活をしています。
 

しかし、消費者金融やクレジット会社等からの借金が500万円程あります。
 

このような借金を抱えた私でも、小規模個人再生の利用はできますか?
 

 

上記のご質問の場合でも、小規模個人再生の利用及び、給与所得者等再生の利用も可能です。
 

本章では、民事再生法を基に、年金受給者であっても小規模個人再生の利用可能な要件を、わかりやすく解説いたします。
 
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年金で生活していても小規模個人再生の利用は可能

 

 

民亊再生法 第239条 第1項
 

第二百二十一条第一項に規定する債務者のうち、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれるものは、この節に規定する特則の適用を受ける再生手続(以下「給与所得者等再生」という。)を行うことを求めることができる。
 

 

個人再生の利用要件として、年金収入も収入であり、上記の民事再生法 第239条第1項に当てはまりますので、小規模個人再生及び給与所得者等再生の利用が可能となります。

また、「継続的に又は反復して収入を得る見込みがあること」(民事再生法第221条)明記されているように、仕事で頂く給与だけが収入ではなく、【年金収入も収入】となりますので、この法令からもやはり年金受給者においても、小規模個人再生及び給与所得者等再生の利用が可能なわけです。

しかしながら、小規模個人再生及び給与所得者等再生手続においては、最低返済額の基準が適用されております。

民亊再生法 第241条 第2項5号

(二) 再生計画が再生債権者の一般の利益に反するとき。

(三) 再生計画が住宅資金特別条項を定めたものである場合において、第202条第2項第3号に規定する事由があるとき。

(四)再生債務者が、給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者に該当しないか、又はその額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しないとき。

(五)第231条第2項第2号から第5号までに規定する事由のいずれかがあるとき。

返済期間3年間(最長で5年間)最低100万円を支払う

民亊再生法 第231条 第2項3号

前号に規定する無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が3000万円を超え5000万円以下の場合においては、当該無異議債権及び評価済債権(別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権及び第84条第2項各号に掲げる請求権を除く。以下「基準債権」という。)に対する再生計画に基づく弁済の総額(以下「計画弁済総額」という。)が当該無異議債権の額及び評価済債権の額の総額の10分の1を下回っているとき。

 

小規模個人再生及び給与所得者等再生では、3年間(最長5年間)にて返済する額が、100万円以上若しくは基準債権総額の5分の1以上のいずれか多い額である必要があるのです。(上限は300万円)
 

したがって、会社を定年退職されて年金生活をされている質問者様におかれても、返済期間3年間(最長で5年間)最低100万円を支払わなければなりません。
 

給与所得者再生では可処分所得返済要件がある

 

給与所得者等再生手続においては、可処分所得返済要件が定められております。
 

民亊再生法 第241条 第2項7項
 

計画弁済総額が、次のイからハまでに掲げる区分に応じ、それぞれイからハまでに定める額から再生債務者及びその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するために必要な1年分の費用の額を控除した額に2を乗じた額以上の額であると認めることができないとき。
 

(イ) 再生債務者の給与又はこれに類する定期的な収入の額について、再生計画案の提出前二年間の途中で再就職その他の年収について5分の1以上の変動を生ずべき事由が生じた場合 
 

当該事由が生じた時から再生計画案を提出した時までの間の収入の合計額からこれに対する所得税、個人の道府県民税又は都民税及び個人の市町村民税又は特別区民税並びに所得税法(昭和40年法律第33号)第74条第2項に規定する社会保険料(ロ及びハにおいて「所得税等」という。)に相当する額を控除した額を1年間当たりの額に換算した額
 

(ロ) 再生債務者が再生計画案の提出前2年間の途中で、給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者でその額の変動の幅が小さいと見込まれるものに該当することとなった場合(イに掲げる区分に該当する場合を除く。) 
 

給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者でその額の変動の幅が小さいと見込まれるものに該当することとなった時から再生計画案を提出した時までの間の収入の合計額からこれに対する所得税等に相当する額を控除した額を1年間当たりの額に換算した額
 

(ハ)イ及びロに掲げる区分に該当する場合以外の場合 再生計画案の提出前2年間の再生債務者の収入の合計額からこれに対する所得税等に相当する額を控除した額を2で除した額
 

 

つまり、収入である年金から、最低限度の生活をするのに必要な費用を差し引いた額の最低2年分を支払う要件となっています。
 

(※最低限度の生活をすのに必要な費用とは、生活保護基準をベースにして政令で定められる額をいいます。)
 

生活費用を切り詰めた再生計画は不認可の恐れも!

極端に解説するならば、年金額から生活費用を差し引き、返済に充当させるべき額の2年分が最低返済基準を超えている場合には、その額を弁済しないと給与所得者等再生手続の利用はできません。
 

上記のように、生きるための生活費を極端に切り詰めた再生計画案は、計画の遂行も見込がないとして、不認可となるおそれもあります。
 

また、そのような場合には、破産申立てをすることになりましょう。

 

ショウブ(優しい心)ショウブ(優しい心)

年金を受給されていても、さらに収入が多いならば再生計画の則った返済の実現が可能となられましょう。

また、年金以外の収入が見込まれている場合は、裁判所からも認可決定を得やすい状況といえます。

ですので、なるべくでしたら、シルバー向け等の職に就いてから改めて個人再生の申しててをして頂いたほうが安心ですね。

 
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