【質問】
小規模個人再生手続において、再生計画が取消になる場合があると聞きました。
 

それはどのような場合ですか?
 

 

再生計画の取消というのは、いったん確定した小規模個人再生手続の再生計画において、一定の事実が生じた場合には、再生計画が取消されて元の状態に戻ってしまう場合があります。
 

これが「再生計画の取消制度」と呼ばれるものです。
 

本章では、再生計画の取消について、その意義や事由を法令を基に、わかりやすく解説いたします!

 

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再生計画の取消制度があるのはなぜ?

 

再生計画の内容等に不正があったり、再生計画が成立したものの、その履行(返済)がされなかった場合には、再生債権者が申し立てることにより、再生計画全体を取消すこととしています。
 

結果的に、債務者がそのような不正な行為をしたりすることを防止し、または再生計画の不履行をせずにきちんと履行をさせることを目的として、再生計画の取消制度があるわけです。
 

もしも取消制度が存在しない場合には、小規模個人再生手続においては、再生債権者は別に判決手続によって「債務名義」を取得して個別に強制執行を行い、それにより債権者自らの債権の回収を図ることとなりましょう。
 

しかしながら、強制執行ができる部分は、あくまでも「不履行」の部分に限られており、さらには別に判決等を取得しなければなりませんので、大変に不便なことです。
 

したがって、このような不正行為や再生計画の不履行から債権者を守るために、再生計画の取消制度が定められているのです。

 

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再生計画の取消事由とは

 

それでは、小規模個人再生手続における再生計画の取消事由をご説明いたしましょう!
 

再生計画の取消事由には、①通常の再生手続と共通する取消事由、②小規模個人再生手続における特有の取消事由の2つがあります。
 

通常の再生手続と共通する取消事由とは?

 

通常の民事再生の場合、次のような場合が例として挙げられます。
 

①再生計画が不正の方法によって成立した場合
 

②債務者等が再生計画の履行を怠った場合
 

③再生義務者による義務違反
 

①再生計画が不正の方法によって成立した場合

 

 

民亊再生法 第189条1項1号
 

再生計画認可の決定が確定した場合において、次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。
 

(一) 再生計画が不正の方法により成立したこと。
 

 

再生計画が不正の方法により成立したことが、再生計画の認可前に分かれば、再生計画は裁判所により認可されません。
 

したがって、再生計画が取消となるのは、再生計画が認可されてしまった後になって、再生計画が不正の方法により成立したことが分かった場合ということになります。
 

②債務者等が再生計画の履行を怠った場合

 

 

民亊再生法 第189条2号
 

再生債務者等が再生計画の履行を怠ったこと。
 

 

債務者が再生計画の履行を怠ると、再生計画が取り消されることになります。
 

③再生義務者による義務違反

 

 

民亊再生法 第189条3号
 

再生債務者が第41条第1項若しくは第42条第1項の規定に違反し、又は第五十四条第二項に規定する監督委員の同意を得ないで同項の行為をしたこと
  

 

この189条3号では再生義務者による義務違反について規定しています。
 

すなわち、債務者が裁判所の許可を得なければ行ってはならないとされている「財産の処分」や「譲受け」・「許可を得ないで借財を行う」さらに、「監査委員の同意を得なければならないのに、同意を得ないで行ってしまった」場合等です。
 

(※なお、この他にも再生手続の場合には、「清算価値保障原則」との関係で特別な規定があります。)
 

小規模個人再生手続における特有の取消事由とは

 

小規模個人再生手続においては、再生計画による弁済総額が再生計画認可の決定を行ったときに、破産手続を行った場合の基準債権に対する配当の総額を下回ることが明らかになった場合には、再生計画の取消の申立てをすることができます。
 

このような場合においては、債権者の権利が著しく害されることになりますので再生計画全体の取消を行うこととされているのです。
 

小規模個人再生手続においては、少額で小規模な事件であるために、費用等をできる限り抑えている他、通常の民事再生手続よりも手続を簡潔化しています。
 

その結果、監査委員や調査委員の制度を設けず、専ら個人再生委員の制度のみを設けられておりますが、このような財産隠し等の不正行為を手続進行中に発見するのは容易なことではありません。
 

そこで、不正が見逃されることを配慮され、モラルハザード防止の観点からもこのような制度が新設されたわけです。

 

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個人再生手続は、自己破産と比べると要件が大変に厳しく、手続も非常に複雑です。

そのため、個人再生手続を申し立てる場合には弁護士(または司法書士)等の専門家のアドバイスが必要になってきます。

また、裁判所においても、基本的には代理人として事前に弁護士をつけての申立てを想定されているようです。

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