消費者金融などから多額なお金を借りる際に“保証人”を立てる場合があります。

 

しかし、銀行や住宅金融支援機構などの金融機関から借りる“住宅ローン”の場合には、保証人の代わりに【保証会社】というものを付けられることになるのです。

 

この保証会社は、連帯保証人となる親族の他に付けられているものです。

 

この章では、これから住宅ローンを組む方に必ず知って欲しい“保証会社の代位弁済のしくみ”について分かり易くご説明しております。

 

保証会社と代位弁済はどのようなしくみなの?

 

まず、住宅ローンを組むことで、
 

①住宅ローンを貸してくれた金融機関(債権者)と債務者との間には、民法587条に規定されている「金銭消費貸借」の契約が締結されることになり、

 

②金融機関の保証会社との間においては“保証委託契約”が締結されます。

 

その保証委託契約に基づいて、金融機関と保証会社が保証契約を締結することになります。
 

この場合の保証料は、金融機関によって違いはありますが、住宅ローンの返済期間が35年間でしたら、100万円あたり2万円強程度が相場でしょうか。
 

ですので、例えば3500万円の住宅ローンの場合では、およそ70万円強程度の保証料がかかることになります。

 

もちろん、この保証料は債務者の負担となりますので、住宅ローンを組む場合には、保証料や手数料といったものがかかることを念頭に置きましょう。

 

そもそも保証会社とは何?

 

保証会社はその名前の通り、債務者による月々の返済ができなくなった場合に「保証」をするわけですが、保証会社はあくまでも銀行に対して「不払い分」を保証するのであって、債務者の立場を保証するものでは決してありません。
 

債務者がローンを滞るようになると、住宅ローンの期限の利益が失われてしまい、保証会社が債務者の代わりに金融機関に対して残債務を返済します。

 

もっとも、住宅ローンの場合では、一般的に6回程度の滞納が続くと、“期限の利益の喪失”となり、分割払いの定めはなくなり、債務者に対して、金融機関から住宅ローンの一括請求(残債務)を受けてしまいます。

 

そこで、債務者が住宅ローンの残債務の返済ができなかった場合、金融機関は連帯保証人である保証会社に対して“保証契約に基づいて”債務者の代わりに住宅ローンの残債務を支払うように請求することになるのです。
 

保証会社が代位弁済をしてしまった場合

 

一方、債務者に代わって返済をした保証会社は、金融機関に代わって、債務者に債務の返済を求めることができるます。(これを求償権といいます。)

 

このため、保証会社には、金融機関が債務者に対して持っていた権利が移転することになります。このことを代位弁済といいます。

 

保証会社が代位弁済をすることで、金融機関に対する債務者の住宅ローン債権が消滅しますが、その代わりとなる民法による「弁済の代位」の効力のため、住宅ローン債権は保証会社に移動することになり、保証会社は債務者に対して求償権を取得します。

 

つまり、金融機関から保証会社に移動した残債務を、債務者が返済をしていくことになります。

 

この返済ができない場合には、保証会社が担保にしていたマイホームを競売にかけられることになるのです。

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このように、「住宅ローンに保証会社を立てた」からといって、債務者が守られ、そして債務者の負担が減るわけではありません。

 

ところで、金融機関から住宅ローンを借りる時に、「保証料」という名目の費用を支払ったことと思います。
 

(もしも保証料を支払っていない場合は、毎月の住宅ローンに組み込まれています。)

 

つまり、保証会社の保証料とは、いわば、住宅ローンの手数料と考えたいものです。

 

保証会社が住宅ローンの抵当権者

 

これまでご説明したように、住宅ローンに保証会社が付いている場合、その住宅ローンを担保するための抵当権の抵当権者は、ローンを組んだ金融機関ではなく保証会社となります。

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仮に、住宅ローンに保証会社がついていて、“金融機関が抵当権者”になった場合を見てみましょう。

 

金融機関が保証会社から代位弁済を受けることで、債権者は金融機関から保証会社へと代わり、同時に抵当権者は保証会社となります。

 

保証会社が残債務の代位弁済後においても、債務者が住宅ローンの債務を(保証会社に)支払わない場合、保証会社は担保物権の競売を申立てることになります。
 

しかし、この場合の登記簿上において、“抵当権者は金融機関”となっておりますので、まずは抵当権を保証会社に移転する登記をしてから競売を申立てなければなりません。
 

住宅ローンに保証会社がついている場合での競売は、まずは債権が金融機関から保証会社に移転してからでないと競売とはなりません。

 

よって、最初から金融機関ではなく、保証会社を抵当権者とした登記がなされている訳です。

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