自己破産は裁判所において、借金の支払い義務を免除していただき“支払いをゼロにする手続き”ですので、大変に強力な効力を持ち合わせております。(但し、未払いの税金は残ります)

一方、債権者の立場からすると、債務者が借金の支払い免除になることで“泣き寝入り”してもらうことになるのです。

そのため、債務者にもそれ相当の負担をしていただかないことには、債権者としては腑に落ちません。

したがって、自己破産手続きにおいて、債権者と債務者間の平等を図るためにも、一定のデメリットが存在しているのです。

この章では、破産手続きにおける同時廃止事件と管財事件のデメリットをわかりやすく解説いたします。

自己破産のデメリットは“メリット”と考えましょう!

個人による自己破産の本来の目的は、「どうしても支払いができない最後の手段であり、債務者の経済的更生を図る」ことになります。

そのために、自己破産手続きによって債務者には当然デメリットが生じることとなりますが、それらは債務者の経済的更生に対して阻害する内容にはなりません。

何よりも、自己破産を選択しなければならない経済的状況を「借金しなくても生活できる経済確立」のために、デメリットをメリットと捉えて進んでまいりたいものです。

なお、自己破産に対して間違った認識を持っている人がいるようです。

たとえば、「戸籍に掲載される」、「選挙権がなくなる」、「海外旅行ができなくなる」等々、これらは誤解ですので自己破産への正しい認識を持つことが必要といえましょう。

自己破産のデメリットの一覧

自己破産には、①同時廃止と①破産管財の2種類があり、デメリットも同時廃止の場合だけのものと、共通のデメリットも存在します。

なお、①同時廃止とは資産や財産がほとんどなく、借金を抱えた事情に問題がない場合に利用されており、ほぼ多くの方々が同時廃止手続きを取られます。

また、②破産管財とは、一定以上の資産や財産があり、借金を抱えた事情に特別な問題がある場合に利用されます。

破産管財手続で破産手続きの開始が始まると、「破産管財人」が選任されて資産の処分などのその後の手続きが進行することになります。

それでは、自己破産のデメリットを確認してまいりましょう。

①官報に氏名・住所が掲載され、市町村役場の破産者名簿に載る【同時廃止、破産管財共通】

官報に破産者が掲載されますが、官報を愛読する人などまずおりません。

そもそも、ほぼ毎日発行される官報の「破産・免責・再生関係」に掲載されている人は圧倒的に多く、官報の記事数も膨大です。

また、規則や省令など随時載せてありますが、一般の人が目にするような記事ではありません。

これらを細かく読んでいる人は極めて少なく、知り合いに見つかる可能性も限りなく低いのです。

②ブラックリストに登録される【同時廃止、破産管財共通】

自己破産は代表的な債務整理の一つですので、債務整理共通のデメリットとなる“ブラックリスト”への登録は必然的になされることになります。

個人信用情報機関に事故情報が登録されると、以後10年ほどは新しい借金やクレジットカードでの購入、住宅ローンが利用できなくなります。

③マイホームや車など、原則的に20万円を超える資産・財産は処分される【破産管財のみ】

破産管財では、(生活必需品等を除く)資産や財産の処分が必要になりますので、対象となる財産等は処分の対象となることでしょう。

なお、全ての財産を処分しないとならない訳ではなく、生活に必要最低限の財産は、“自由財産”として残すことが可能です。

処分の対象となる財産一覧

・評価額が20万円以上の車

・残高が20万円を超える預貯金(99万円を超える現金は処分される。)

・20万円を超える保険の解約返戻金

・退職見込み金額8分の1が20万円を超える場合

・ローン残高が評価額の2倍以下の不動産(※ローンの残高が固定資産評価証明書により評価の2倍以上ある場合は、資産とみなさない。)

④公法上の職業制限がある。【同時廃止、破産管財共通】

自己破産中は下記のような職業には就けません。

弁護士・司法書士・税理士・公認会計士・行政書士等の「士業」です。また、生命保険外交員・宅地建物取引主任者・警備員・質屋・古物商などの仕事にも就けません。

これ以外の職業(人事官を除いた国家公務員・会社員・医師・地方公務員・教師等)は破産手続きの開始決定を受けても辞める必要はありません。

もっとも、免責が許可(復権)されることで資格制限は解除となりますので、資格が必要な仕事に就けなくなるのは、破産手続き中の2~4カ月程となります。(今後一生、資格が使えなくなるのではありません。)

⑤私法上の資格制限がある。【同時廃止、破産管財共通】

破産手続き中は、後見人、後見監督人、保佐人、遺言執行者などになることはできません。

また、合名会社及び合資会社び社員は退社事由となり、株式会社の取締役や監査役については退任事由となります。

⑥破産手続き中は居住の制限を受ける。【破産管財のみ】

破産手続中は、裁判所の許可がなければ居住地を離れて転住及び長期の旅行をすることはできません。

⑦通信の秘密の制限【破産管財のみ】

破産手続き中は、破産者に宛てられた通便物などは破産管財人に配達され、破産管財人は受け取った郵便物をチェックでき、開披できます。

もっとも、通信の秘密の制限も、破産手続きの間だけとなります。

⑧場合によって引致及び監守されることも【破産管財のみ】

破産手続き中は、裁判所が必要と認める場合には身体を拘束される場合もあり、逃走及び財産を隠したり破棄したりする恐れがある場合には監守を命じられることもあります。

以上のような資格制限や居住制限などのデメリットは、免責により復権することでなくなりますので、一生制限されるわけではありません。

つまり、自己破産のデメリットに脅える必要はなく、「デメリットはメリットと置き換えて」、人生の新たなスタートを切ってまいりたいものです。

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